アミューズミュージアムという、
田中忠三郎が青森で収集した品が展示されている場所があります。
そこで目にした一枚の衣が、
ずっと心に残っています。
表生地は裂き織り、
裏生地はぼろぼろの木綿、
縫い留めの為の刺し子がされた「ドンジャ」(方言で、夜着のこと(掛け布団の前身))です。
裂き織りのもつ重厚感、
その糸味の暖かさから、
藍染の襤褸にはない朗らかさを感じました。
しかし手間のかかる裂織仕立てで、
かつ裏はボロボロ。
大切に作られて使われたことに、
畏怖さえ感じる。
誠に惹かれ、
時折その夜着の写真を見返すようになりました。
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そしてこの冬。
こたつを出したのでどうせならと、
仕舞っていた布団皮を、一番上にかけました。
久々にみたその布は、とても魅力的でした。
ざっくり縫われた四幅繋ぎ、
表裏の布を止める刺し子も、適当に縫われている (裾、背中の中心にそれを残しています)。
その適当さが、可笑しくもあり愛らしくもあり。
また、使い古されて淡い色味、
手触りも柔らかだが若干張りがあります。
柄を眺めていると、
アミューズで見たあの夜着にそっくり!
と気づき、早速縫い始めていました。
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かの夜着に忠実に、作ったつもりです。
柄を気にしつつ刺し子を入れ、
かけられる手間をかけました。
大正更紗のような美しい裏地にも、
針目が出ています。
保温効果もあります。
袖当て布や、横開き当て布は真っ赤。
暖かみのある優しい上着ができました。
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着丈:約86cm
軽いアウターの上からも、着用できます。
袷かつ刺し子で、羽織るだけで暖かです。
古布につき、ふんわりしているので、
重みを感じることなく、動きの妨げになりません。
閑居時に、おくつろぎ時に、ぜひ。
1~7枚目は日光の元、
8枚目以降は、照明の元撮影しています。
最後の5枚は、作成時の風景です。
¥21,000
SOLD OUT
※こちらの価格には消費税が含まれています。